オランダのオマの話

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オマ “oma”とはオランダ語でおばあちゃんをさします。

私たちのオランダ人のオマというのは、友人の女性のことです。

私たち夫婦の実の母親はどちらも既に他界しています。9年前と8年前に。

そのため娘はおばあちゃんに会ったことがありません。

今まではそのことをあまり分かっていないようでしたが、最近になって「どうしてじいじは会いにくるのに、オマはいないの?」「オマとアイスクリーム屋さんに行きたい!」と言う機会が増えてきました。

私が「お空にいるのよ。」と言ってもまだ今一ピンと来ないようです。

もう少し大きくなったら、母達のこと、子どもたちとゆっくり話せるかなあと。

そんな娘にはオランダ人のオマがいます。

彼女は前に住んでいたアパートの下の階に一人で住む女性です。

始めてオランダへやってきた私たちを温かく迎えてくれたのは彼女でした。彼女は二匹の猫たちと暮らし、お向かいさんの同じく一人暮らしの高齢の女性といつもお茶をしたりと、穏やかに暮らしている素敵な方。

彼女の家の中は、すべてがアニマルグッズ!

ペンも、スプーンも、ドアストッパーも、クッションも!

「トゥーマッチね」と言って笑う姿はとても満足げで、私たちは彼女が大好きなんです。

娘の「オマになってあげる!」と申し出てくれた彼女。

いつも娘を心から可愛がってくれているのが、言葉を超えて伝わってきます。

娘を連れて彼女の部屋へ遊びに行くと、娘は彼女の手を引っ張って二人でせっせと家の隅っこへ逃げた猫探し回るというのが、いつもパターン。

しかし、ここ最近は私たちが引っ越したことや、息子の病院通いで全く彼女のお家へ遊びにいくことができていませんでした。

でも、毎年クリスマスカードを彼女へ出す!というのが、私の中での決め事。

もちろん、彼女の大好きな動物柄のクリスマスカードを選んで。

そして彼女からの返事に、私はまた子育ての気づきをもらいました。

手紙には、息子が生まれた頃、彼女の息子さんが亡くなっていたのです。息子さんは、実は先天性心疾患を患っており、すぐには気がつかなかったそうです。確かに、前に家に遊びに行った際に、「息子は体調が良くなくて病院にいる」と話してくれていました。でも、先天性心疾患だとは知りませんでした。

そして「今の医学は進歩しているから、安心して大丈夫よ」とメッセージをもらいました。

これも縁なのか。人生で出会う人には、やっぱり意味があるんだなと。すぐに気づく人もいれば、後になってその意味に気づく人もいる。

彼女の年齢からして、恐らく息子さんは30代、40代か50代かな。先天性心疾患を持ちながらも、人生を全うされた年齢とも考えられるし、まだまだ若すぎる別れでもあったでしょう。

自分が元気なうちに、親を看取ることが出来るというのは、なんと幸せなことなのだろうとも考えさせられます。

勝手にも、自分が逝くときには、子どもたちに傍にいてもらいたいと願ってしまいがちですが、それすらももうエゴなのかもしれません。

手放そうと思います。その代わりに、

今、この時間を家族で過ごせる。この瞬間に気持ちをしっかりと保つ。

息子の病気が治ったらとか。

息子の病気がなかったらとか。

そういう「たられば」で、息子を見るのではなくて、今も疾患を受け入れながらも笑顔で暮らす息子が、良いも悪いもなく全てなんだとやっと受け入れられるようになりました。

そんな気づきを、彼女の手紙は運んできました。

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早くコロナの自制生活が解除されて、娘とオマがオランダ語で楽しそうに会話できる日がくるのを待ちわびている我が家です。

*最後までお読みいただきありがとうございました*


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