1歳児の術後の生活@オランダ

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2020年の7月、息子はコロナ禍のオランダにて二度目の心臓の手術を受けました。息子は右肺動脈という心疾患を抱えています。名前の通り、肺動脈が無いため、心臓を右の肺が繋がっておらず、十分な酸素を体に取り込めていない状態です。それに伴い、肺高血圧、肺水腫の症状もありました。

さて、子ども用のICUより連絡が入りました。息子がオペ室からICUへ移動が完了したとのことでした。いつも術後は、すぐにICUに行くと割とすぐに執刀医が来てくれて、どのような処置を行い、現在はどのような状態かを説明してくれます。息子の執刀医の先生は、仕事できますオーラが半端なく、穏やかな紳士の雰囲気の方で、本当にいつも助けて頂いています。

今回は右肺と心臓をつなぐためのチューブのようなものを埋め込むことで、ほぼ一般の人と変わらない状態にすることが目的でした。人工物のため、将来的に息子が成長した段階で、再度調節するための手術を受ける可能性もあり、ただそれがいつ頃になるのかというのは、現段階ではなんとも言えないとのことでした。

術後24時間は急変の可能性もあるため、終了後も実はあまり気が抜けないものです。娘と夫は家で待機していたので、連絡後マクドナルドハウスで合流し、夫と交互にIUCに入りながら見守りました。

ちょうど私が息子のベットのそばで見守っている事件が…

ICUにいる時は、とにかくありとあらゆるチューブやコードが息子の体に張り巡らされており、抱き上げるなんてできない状況ですが、麻酔が取れてきた息子は意識が戻ってきたようで、起きあがろうと動き出してしまいました。

傷口にも良くないし、チューブが抜けてしまいそうだしで、とにかく息子がベットから離れないように手と足を抑えるのに手一杯で、ナースコールまで手が伸ばせません!!

そこで、これですよね。必殺、叫びました。

「ヘルプー!!!!」

とてもシンプルです。こんなに大きな声ではっきりとヘルプを叫んだのは、これが初めての経験です。

おかげさまで、複数のナース達が駆けつけてきてくれたため、チューブは抜けずにすみました。危なかった。。仕方なく睡眠薬を入れてもらいもう少しICUのベットで寝かせて様子を見ることになりました。

そして術後ピッタリ24時間後に、なんとICU卒業となりました。これには私達もびっくりで、急いで普通病棟へと移動の準備です。前回の手術ではIUCに2週間ほども滞在していたので、息子も体力がついて、成長しているんだなと感じさせられます。

そして普通病棟に戻るということは、私も24時間同じ部屋でお世話をすることになるので、家に帰宅することなく、また病棟生活続行となりました。もう0歳児とは違って、親はそばにいないことにすごく不安がるようになってしまったので、息子をおいて帰るのは難しくなりました。そのため、母・息子チーム、父・娘チームで別れての生活でした。

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術後は発熱がやはり続き、寝付きが悪いため、抱っこをするために何度も起きての生活で私も寝不足気味で、昼間は昼間で部屋の中だけではつまらなさそうな息子といかに時間を潰そうかな〜と試行錯誤でした。娘も私と離れてばっかりでは可哀想なので、夫と交代してライデンの街に繰り出しました。

2020年の7月の段階で、もちろん外でわざわざマスクしてる人いませんでした。(いても少数派)週末だったので、ボートに、カフェにとだいぶ混み合っていました。川を眺めて、アイス食べて娘との時間を楽しみました。

それから普通病棟を一週間であっさりと退院となり、酸素ボンベ、チューブを付けずに無事帰還してまいりました。

 

久々にチューブもボンベも何もない息子を抱き上げることができる、もうサーキュレーションのアラーム音もない、ごくごく普通の家族の風景にたどり着きました。

1年ちょっとの長旅だったこの闘病生活。1年なんてあっという間かもしれませんが、自分の子ども心疾患があると分かってから根治術を終えるまで、私にとっては壮大な母としての修行の毎日だったなーと思います。本当に無事、ひと段落つけてよかった。色々な方との出会いや助けがあってここまでこれました。

 

帰宅後は、通院と投薬が続きますが、また次回に。

*最後までお読みいただきありがとうございました。*

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